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2006年08月07日

[第2話] トヨタ方式というのは

トヨタ方式というのは、
 中小企業向けの物の作り方なんですよ。

 「トヨタ生産方式」というのが世間で知られるようになったのは、ちょうど第一次石油ショックがあった、昭和四十八年の暮れだったんですけれども、どこもちょっと業績が上らんかった時に、トヨタだけは業績が引き続いて上っておったというようなことから、世間で騒がれるようになったわけなんです。しかし、実はいつごろからやっておったかというと、ちょうど戦争が済んですぐのころ、昭和二十年の暮ごろからやってきたわけなんです。

 で、たまたま世間で言われるようになったのが、トヨタ自動車が相当大きくなっておったころのものですから、「トヨタ方式」というと、大きな企業がやるやり方じゃないだろうかというように受けとめておる人が非常に多く、「トヨタ方式は大企業がやるもんだ」、「われわれ中小企業には、あんなことはやれるわけがない」などと思っとったようです。
 しかし私共が「トヨタ方式」に取り組み始めたころは、本当に中小企業ともいえんぐらいの規模でした。なにしろ、戦争が終ってまだ日本が自動車を作らしてもらえるかどうかわからんていう時に、会社の幹部がGHQなり政府の人に頼んで、ようやくトラックだけは作ってもよろしいということになって、その時にトヨタが作ろうといっておった台数は、月に八百台なんですからね。その当時のアメリカあたりでは、そのぐらいほんの何分かでできてしまう数です。
 当時のアメリカの三強といわれたGM、フォード、クライスラーあたりなら、ほんの十分か二十分でできてしまう量を、一ヶ月かかって作ろうというのです。しかも日本の国情を考えると、同じものを作ったってとてもそれだけ売れない。いろんな種類のものを作らんと、当時は買ってもらえんかった。
 というわけで、いろんな仕様のクルマ、あるいはいろんな形式のクルマを作ろうということでやっておったんです。
 で、実際には一年かかって、アメリカの一日分できるかどうかもわからんような数を、しかもいろんな種類作るなんていったら、ただアメリカの物の作り方をまねしておってはとてもできない。いくら少なくてもアメリカより安く作る方法を考えにゃならん。それにはアメリカと何か反対のことをやらにゃいかんだろうということで、始めたわけなんです。
 生産の機械も、当時日本ではアメリカ製のような物を作っておるところもなく。仮りにあっても、日本の生産に合うような」機械に直していかないとだめでした。極端なことをいえば、自分のとこで作らんと、一番いい機械というのは誰も作っちゃくれんのですね。
 というわけで、そちらもいろいろ勉強しました。
 ですから、「トヨタ方式」というのは、もともと中小企業向けのやり方なんですよ。クリーニング業の皆さんでも、小人数・小規模でやっておられるところと、何階建てなどというように大きな工場をはっておるところがあるようですが、そういうところとはやはり違うやり方をせんと、生き残る道はないんじゃないでしょうか。

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