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2006年08月07日
[第4話]『かんばん』は道具です。
『かんばん』は道具です。
ジャスト・イン・タイムを実現するための道具なんです。
それからもうひとつの「J」は「ジャスト・イン・タイム」の「J」です。これは前の豊田佐吉という人の長男である豊田喜一郎という人が、「自動車を組むには、ジャスト・イン・タイムで部品を供給するのが、一番効率的なやりかただ」ということを、自動車を作り始めたころに言っておってね。つまり、後行程がいる部品を、いるだけ、いる時に前工程が作りゃいいということです。
ですから「かんばん」というのも、この「ジャスト・イン・タイム」に物を作るために、タイミングをうまくあわせるための道具なんです。それがいつの間にか「トヨタ方式」イコール「かんばん方式」になってしまっておる。「かんばん」さえやっておりゃ、それで「トヨタ方式」だなんて思っておる人がおるが、ありゃとんでもないまちがいでね。
「かんばん」というのは、まあ名前ばっかり有名になってしまってね。最初の「かんばん」ていうのは、文字どおり「看板」ですよ。魚屋行きゃ、魚屋の看板がかかっておる。八百屋行きゃあ八百屋の看板がかかっておるんで、八百屋の看板がかかっておるのに「ここは魚を売っとらん」といって怒るお客がおったら、そりゃお客の方がおかしいんでね。私も出張で、よく東京に行くんですが、「今日はちょっと床屋へ行こう」という時には、ナントカ理髪店というような看板さがします。
ところが毎朝、床屋のおやじが自分とこの看板見上げて、「うちは床屋だ」なんていう者はどこにもおらんでね。
これを工場でいうと、作業は自分がどんな作業をしておるかなんてことは、よく分かっておるんだけれどもげ監督者にはちょっと見ただけでは分からん。というようなことから、管理者、監督者がそのラインをぱっと見て、そこで何を作っておるのか、今の作業状態は正常かどうか、などということがすぐ分かるように「看板」を上げときなさいということで始まったんです。
ですから、よく本に載っておるような、ビニール袋に入ってバーコードがついておるのが「かんばん」だと思っておる人が多いようですが、なにもあれだけが「かんばん」じゃないんでね。その「かんばん」見たら、何を何個作らにゃならんのか、どれだけ引き取らにゃならんのかなどということが分かりゃいいんで、バーコードなんかなくっても、あるいは札の形をした「かんばん」を使わんでも、おんなじ役割が果たせりゃいいんです。
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