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2006年08月07日
[第6話]物を溜めること、運ぶこと
物を溜めること、運ぶこと、
こりゃあもう一番つまらん。
ムダがムダを呼ぶだけです。
最近「軽薄短小」ということがいわれておりますが、そういった意妹でも、経営も「軽薄短小」でなきゃいかんと思います。
まあ、さっきの「大きいことはいいことだ」というのと同じになりますが、この世の中にはあいかわらず「大艦巨砲主義」というのがあって、ようするになんでもまとめていっぺんに作りゃ安くできるんだぞと、いうようなことで何でも機械を大きくしようとする。あるいは高速化したり、それ一台で何でもできるようにしようとする。こういう考え方というのは、大量生産の考え方なんですが、こういうことをやっとっちゃいかんのでね。私らではこれを「ダンゴ生産」なんて呼んどるんですが、rダンゴ」で物作っちゃいかんぞといっとるんです。
「ダンゴ生産」するとどういうまずい点が現れるかというと、まずひとつにはムダなスペースが必実となるんです。
たとえば大艦巨砲主義で、一度にまとめてたくさん作れる大型機械を入れますね。そうすると、それだけでも機械設置するのに広い場所がいる。さらに、一度にたくさんの物ができてくるということは、できた品物を置いておく場所が広く必要になる。もちろん投入する材料も、大きな機械だからたくさん用意しておかねばならないので、その材料を置いておく場所がいる。この材料の場合は、スペースの問題だけでなく在庫の問題もでてきます。
で、このような機械を使うというと、たいていはその機械の世話をする人間をべったりとつけておかにゃならん。これが座り作業だったらもっとひどいことになる。クリーニングなんかは立って作業されとるようですが、縫製工場はというとたいていミシンの前に腰掛けとる。で、人間腰掛けると、動くのがおっくうなもんでいっぱい材料を手元に置いて、同じ作業をまとめてやろうとする。これも結果的には「大艦巨砲主義」の場合と同じことでね、そういう材料や仕掛品をいくら積んだって利益にならんどころか、金利がかさむばっかりなんだが、そんなことは誰も思っとらん。「私はこんなに仕事をしています」というような顔をして、汗かいて動いとる。
で、広い場所をとって物をためておる。物をためておけば今度は運ばんならん。物を運ぶというのは、一番つまらんことだからね。そのためにつまらん搬送機こしらえて、物運ぶというようなことをしとる。いくら物動かしたって、付加価価などつきゃせんのだから、本当は運ばんでもええ方法を考えないかん。それに「ダンゴ」でやると、仕掛品や材料が積んであるので、後工程の作業の進み具合がよくわからん。というんで、汗かいちゃあ「後ろの作業の進み具合はどんなものか」と気を使わにゃならん。
まあそんなことで、「ダンゴ」やるというと、場所のムダ、在庫のムダ、運搬のムダということがあっちこっちにでてくる。じゃあどうすれば「ダンゴ」にならんかというと、とにかくひとつずつ作ることです。
この一個ずつ作るということが、前に話した「ジャスト・イン・タイム」ということになるんですが、そんなことを言うというと「そんな作り方しとったら、今の単価じゃとてもできん」とか、「そんな頻繁に段取り替えしとっちゃ、生産がガタ落ちになる」というようなことを言われますが、それをどうしたらいる物がいる時にいるだけ、後工程が前工程から引き取って「ジャスト・イン・タイム」でものが作れるかということを勉強するのが、この「トヨタ方式」なんでしてね。
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