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2006年08月07日

[第9話]確実に良品だけを、一個ずつ作る。

確実に良品だけを、一個ずつ作る。
 一番ムダのない作り方です。

 一個流しといったって、何も特別なことをするわけじゃない。さっきも言ったように、この座り作業というのがまず「ダンゴ」を作るもとでね。すぐ手元に何でも置きたがる。また、機械と機械の間隔を開けておくのもいかん。人間というのはなんか場所があいとると、物置くんだね。それが「ダンゴ」になるだけじゃなく、運搬のムダまで生みだす。だから、まず立ち作業にすることです。その点クリーニングはいいですね。
 縫製の方もクリーニングと同様に女子従業員が多いんですが、今NPSやっとる鈴村っていう男が、昔トヨタで部下だったんですが、そいつが縫製の工場を指導にいった時、一日しゃがんで女の子の足見とったらしいんです。本人は、足で何か作業しとるのだろうかと、観察しておるつもりだったのですが、女の子たちに「スケベ!」と怒鳴られたそうです(笑)。何を人の足下をのぞいとるのか、というところでしょうな。


 で、分かったことは、何も足で作業しとらんのだから立って作業やればいいということなんですね。あれ、今でもミシンというとみんな腰掛けてやっとりますが、あれは単に足踏み式ミシンの名残りでね、何の理由もないんですよ。
 私がちょくちょく指導に行っとる、博多のオムツカバーのメーカーでも最初座ってやっとったんですが、今ではミシンの足チョン切って立ってできる高さにして、品物を手渡しにして一個流しやっとります。こういうのは、かえって工場長とか幹部の方が抵抗するんですね。ここでも前は百枚単位でロット組んどったものですから、「もっとロットを小さくしなさい」といったんですが、まあなかなか言うことをきかん。で、徐々に小さくしていったんですが、一ロット何枚っていう数になった時に、そこの女子社員が「工場長、そんなのいちいち数えるぐらいだったら、一枚ずつやったほうが早いですよ」といって、とうとう一枚流しになったんです。どっちの方がやりやすいかなんていうことは、現場の人間の方が良く分かるんでね。
 とにかく一個流しというのは一個ずつ作っていくのですから、手流しで運搬のムダがない。また、一個流しだから今までのように大きな機械はいらない。たとえば穴を開ける工程があれば、そこにはただ穴が開けられる機械があればいいのです。「簡易マシン」と呼んどりますが、余計な機能はいらない、専用の単機能でいい。そのかわり工程順にその機械を並べて「多工程持ち」という作業の仕方をしてもらいます。一人で、異る作業をする機械を数多く行程の順番に持ってもらうのですが、これだと作業者は一定のペースで作業できるので、退屈もせず汗もかかずにすみます。何人かの人数で作業するときには、品物をリレーのバトンだと思って、となりの人に渡します。品物を受渡する部分がちょうどバトンタッチゾーンですね。このバトンタッチゾーンがあれば、もし前工程の作業が遅れていても、見りゃすぐ分かるので後工程の人間が助けにはいることができる。困っとるもんがおれば、お互い助け合うことができるんで、これは「ダンゴ生産」やっとっちゃ、できんことですからね。

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