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2006年08月07日

[第16話]自動化が進むはど

自動化が進むはど、
 その使いこなし方が難しくなってくるでしょうね。

 私どものところでも、自動化された機械で非常に速く仕事するものがあるんですが、自動の機械使えば速くできるかというと、そうじゃないんですね。例えばクリーニングの包装機でも、コンマ五秒か一秒で包装ができるというんで、機械の前でスイッチを押しておる。やっとる人に聞くというと、「いや、これは速くできるんです」と言うんですが、実際にはそのスイッチを押しておる、コンマ五秒とか一秒という時間は、人間は仕事をしておらんのですね。これもそこに掛けておけば自動的に包装されるというと、包装済んだものは機械から外してカゴに入れる。そしたら仕上がったものを機械にセットする。で、機械が包装をしておる間に、作業者は前工程へ行って仕事すれば、それだけ速くできるんですね。


 あるいは人体プレスというんですか、あれも見とると五秒だか十秒たか、こうエアーか蒸気だかで膨らんどるのをじっと見とる。あれもそうやって機械が仕事しておる間に、前に次の品物取りに行くとか、あるいは次のところに作業しに行くということをすればいいんでね。まあ中にはどっか手で押えたりしてやらにゃいかんものがあるかもしれんが、そういったものは何か考えてもらって、品物をほっといてもいいようにすると。で、ある時間たったら勝手に止まっとってくれりゃいい。
 こういったことは細かいことなんですが、とかく自動化が進んでくるというと、この「自動」ということが問題になってくるんです。ですから機械が進んで「自動化」ということが進むほど、この「自動」をうまく使いこなすことが大切になってきます。
 織田信長という人は、新しい機械をうまく使うことで定評がありました。ちょうどあの時分には「火縄銃」っていう鉄砲が日本に入ってきたのですが、この鉄砲を一番うまく使ったのが、この織田信長だった。「火縄銃」というのは一発打つというとそのつど玉込めて火を点けにゃいかんかった。これを一発ずつ打っとるというと、武田の騎馬兵が攻め込んでくるので、織田信長は機関銃のように使うことを考えた。機関銃ったって、本当に機関銃があるわけじゃない、兵隊を三列にして、一番前の列が打つというと、次の列が打つ、その次が打つというようにした。そうやっておる間に一番前の列は、もう次の弾丸込めて火を点けて打てれようにしておるんだね。このようにして一発ずつしか打てん「火縄銃」を機関銃のように使った。
 これからも機械がどんどん進んで、自動化ということが進んでいくんですけども、そうなればなるほどその機械を使いこなすのがむずかしくなると考えていた方がいいんじゃないでしょうか。またそれには、機械考えた人よりも機械を使う人の方が、頭を良くしていかんとだめなんじゃないかと思っていた方が良いでしょう。ですから、これからも信長のようなことも考えていかにゃならんのじゃないかと思います。
 信長が出たついでに、豊臣秀吉に話は移りますが、この秀吉という人は、今日に最善を尽くす、という人だったそうでね、昨日のことは振り返らない、明日のことは考えてもしかたがないというふうで、とにかく今日に最善を尽くした。
 「トヨタ方式」もおんなじで、改善やったからって今までのことが頭にあると、もうだめなんだね。昨日改善したことも今日はだめなんだと、昨日のことはもう忘れにゃいかんのです。今が悪いんだ、もうこれが良くなったと思ったら進歩しなくなる。

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