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2006年08月07日
[第18話]絶えず全体の流れを考える。
絶えず全体の流れを考える。
部分にばかり目が行くと、
かえって『改悪』になったりしてね。
改善というとどうしても、部分の生産性ばっかりに気をとられてしまう。たとえば「段取り替えを一時間から十分に短縮しました」なんて、報告を受ける。しかしいくら段取り替えを速くしたって、そこでおんなじ物いっぱい作られちゃ、こりゃ改善どころか‥前より悪い。
改善というのは何のためにやるかというと、全体に大きな流れを作るためにやる。どんな流れかというと、今までのまとめて作っちゃ後工程に押し込むというやり方を根本的にひっくり返して、ジャスト・イン・タイムにいるところがいる物をいるだけいる時に引き取る、そういう物の流し方に変える。そうするためには、作る方も作り方をそれに合わせて変えていかねばならん。そうやって、全体の流れをいかにスムーズにするかということで、段取り替えの時間を短縮したり、少人化、あるいは多工程持ちというようなことに取り組んでもらう。こういったことはどちらも平行して進めにゃならん。ところが実際には、そのような意識が欠けておるところが多いんだね。
だからこのジャスト・イン・タイムという大きな流れから外れんように改善すれば、その改善の効果というのは出るんじゃないでしょうか。
しかしこの流れを作れ、なんていうと「いや、うちではちゃんと流しとります」なんて言うんだね。見りゃ、コンベア使ってどんどん品物流しとる。コンベア使えば「流れ作業」だと思っとるらしいんだが、とんでもないんでね。そんなのはただ「流し作業」しとるだけだ。こういうのは「できたから運んどけ」というようなもんで、前にも言った「ダンゴ生産」なんだね。
それとコンベアを使うまずい点というのは、不良があっても後工程に流してしまうこと。普通の自動の機械というのは、うまくいっとる時はいいが、いったん不良品を作りだすと止めるまでどんどん不良を作り続ける。ここが一番いかんのだね。
で、このベルトコンベアの正しい使い方というものもある。これはどういうのかというと、コンベアというのは一定のスピードで動いておる。これを利用すると、等間隔のピッチで仕事ができる。じゃあコンベアのスピードはどうするかっていうと、一日にそのラインじゃ何個作らにゃいかんかと、その数字から計算してコンベアのスピードを出す。で、今度はコンベアの方に等間隔の線を入れておく。この間隔というのも、その間隔の時間で物ができるようにする。そして、品物を載せるときにはその線の上に載せるようにすれば、必ず等間隔で品物が流れてくる。
そしてここからが大事なんだけれども、こういう使い方をするときには、このコンベアを止められるスイッチを、作業者全員のところに付けておかにゃいかん。実際には作業者の腰の位置につけておるんだけども、何でこんなスイッチ付けるかというと、ひとつには問題が起きた場合、すぐラインストップさせてその問題を解決するため。もうひとつには自分が暇だからといって、他人の仕事に手を出そうとしたらすぐ分かるように、という役割がある。また、前から品物が流れてこない場合にも止める。こうしておいて、あんまりコンベアが止まるようだと、「こりゃどこかに問題があるぞ」ということが分かる。
話を戻して、他人の仕事に手を出すということを言いましたが、これは自分の仕事がなくなったから退屈なもんでちょっかい出す。この退屈になる理由も、本人の手が早い場合と、もともと仕事が足りないという場合があるが、どちらにしろ手があいているなら休んでもらやいい。そうすりゃ監督者がそれ見ると、「今手があいとるな」と分かるんでね。それなら「応受援」してもらおうかという判断ができる。これならコンベアでもバトンタッチゾーンを作ることができるので、流し作業にはならんということです。
つまりコンベアの役割というのは、今の仕事が遅れているのか正常なのかどうかということを、一目で分かるようにすることにあります。大体スポーツでもトレーニングする時には、タイムキーパーというのがついて、「もっとペース上げろ」とかなんとか言って指示する。それとおんなじで、コンベアをそういう風に使えば、コンベアが動いた時間、あるいは止った時間で仕事の進み具合を判断することができます。
というようなことで、この「止める」ということが非常に重要なことになる。つまり、問題点の発見に大きくつながるということです。豊田自働織機がそうですが、この「自動」でなくニンベンの付いた「自働」機械というのは、不良が出ると必ず止る。で、それに対して何らかの対処をし、二度と不良品を作り続けんようにする。ですから「自働とは止めることなり」と言えるんではないでしょうか。
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