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2006年08月06日

vol.15「武田信玄と取次所方式」

洗い放談
「武田信玄と取次所方式」


 戦国の部将、武田信玄は「人は城、人は石坦、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」を座右の銘としていた。だからついに自から城をきずくこともなかったし、奪われることもなかった。  最盛時には山梨、長野、静岡、群馬、岐阜にまで勢力をはった。川中島では五たび上杉謙信と戦った。もっぱら出撃するをもって軍略の基本とした。
 そのため平時は領民をよく手なずけた。いざという時には領民は進んで信玄に味方したといわれる。  これをクリーニングの経営戦略でいうと、外交経営であり、営業所や取次所はつくらぬという主義である。近ごろこの取次所システムなるものは大流行で、小さいクリーニング屋は、この方式にかなりやられている。


 北九州あたりでは取次所が三百も四百もできて、これ以上はつくるところがない。結局よその出した取次所をスカウトして、自分の店の取次所にするよりほかないといっている。
 また東京ではホールセール業者がつくったマミーという会社がスーパーやターミナルのデパートに、盛んに取次所を出している。もう五十以上もできたという。
 さらに名古屋付近では取次所をつくる商売人が現われ、スーパー内につくれば二万円、一般のマチ中だと一万円が相場という。
 この連中は目下ひっぱりだこで、だいたい年内中はどこかのクリーニング屋と契約しているという繁盛ぶり。一日に一つか二つはつくってくるというから、その収入たるや、ヘタな会社社長は追っつかない。
 こういう新しい事態に少しも騒がぬゴジンがある。「スーパーなりデパートなりどこでも出すがいいよ。そのうち百円だけもらえばよろしい。あとはお店の好きな料金でやってください…とPRすれば、百五十円もとってスーパーにやらせているものは、みんなこっちへ引っくりかえってくるサ」と、うそぶいている。
 いずれにせよ、この取次所というのは出城である。武円信玄流にいうと、攻めるにカッコウの目標である。
 近ごろは外交軽視の風潮があるが、これとてやりかた次第では取次所を完封することもできる。その戦略については信玄の座右銘をとくと考えてみることだ。
 現に新潟県新発田市のワゴードライは、たった三年で新潟市へ進出し、年間四千五百万円という英雄をあげた。外交の持つ組みをまざまざと見せつけるものである。攻撃は最良の防御なり。

著作:全国ドライ新聞社

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