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2006年08月06日
vol.19「空の大惨事と"低料金営業"」
洗い放談
「空の大惨事と"低料金営業"」
ヒノエウマを極力警戒して、ことしの結楯は秋に集中した。十一月十三日は大安、ころはよし、日はよし、松山行きの全日空YS11型旅客機に乗っていた五十人の半分二十四人が新靖夫婦であった。
このYS11は乗客のうれしさに足が地に着かなかったのか着地失敗。そして昇降舵を上げて松山海岸に飛び上がり、左へ弧を描いて海面に消えた。
目撃者や経験者の判断では高度や速力が十分でないのに、左急旋回したために墜落したという。そこには大安吉日どころか、大三りんぼうだけがあった。
ことしの二月には同じく全日空のボーイング七二七型機が東京湾上に墜落している。これは急降下失速。つまりこんどの事故を逆にしたようなものである。安全飛行に大切なものは常に速度と高度であるらしい。
これはクリーニング経営でも同じことで、あまり水揚げもないのに、あるいはあるだろうという思惑で料金を下げすぎると失達して大事を起こす。また健全経営でないものが一発屋式に経営の左急旋回をやると、もともと速度がついていないのだから、これまた計画や近代設備を生かせず、とんでもない事態に突入してしまう。
だいたい一発屋というのは長続きしないというケースが多い。したがって筆者はかねて、料金の急降下や経営の急旋回については反対説を唱えてきた。
それは個人消費、わけてもクリーニングのような日常の支出は、好景気だからといって急上昇しないものであるからだ。同時に不景気にも支配されない。そして伸び率はゆるいカーブで上がっていく。
このことを考えないでドン底まで下げてしまうと、料金に弾力性がなく、飛行機でいう高度と速度を失って墜落してしまう。
百円ドライについては、「よく採算がとれるか、とれないか」の問題提起のしかたをする人がある。これは適切なテーマの出しかたではない。「百円ドライは永続するかしないか」のほうが正しい。採算は合わせようと思えばいくらでも合わせられる。ただし操業度や稼働率は予定どおりいくとは限らぬ。その場合、少量処理とちがってマスプロ方式の打撃は深刻にくる。
つまり一日二千点処理で二十万円のソロバンをはしき、三〇%の利益があるとしても、これが二百点しか集まらぬときは、三%の利益ですむというものではない。
これこそは千八百点の残品をかかえたと考えたほうがよい。これを売りさばくに当たって、すでに下げられる最低線まで下げていると最後の切り札「ディスカウント・セール」(割り引き販売)がきかない。
松山空港は千二百メートルあって、YS11型のような滑走距離の短くてすむ飛行機には十分なものであった。しかし着地点が思うように行かず、半分ぐらいのところに着地した。松山空港の滑走路がもう少し長ければ大惨事は見ないですんだ。クリーニング経営においても、ゆとりがなければ危ない。その点、百円~百五十円は、どうみても危険率が高く、この倍ほどに延長したほうがどうもよさそうに思える。低料金業者各位、果たしてどうだろうか。
著作:全国ドライ新聞社
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