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2006年08月06日
vol.4「クリーニング戦国時代」
洗い放談
「クリーニング戦国時代」
まったくクリーニング業界の現状は戦国時代だ。いつどんな新兵器を持ち出して、オラが国さを侵略する敵が飛び出すやらわからない。機械メーカー、洗剤メーカーそれに商社とても同様、油断のならぬ食うか食われるかの重要な時点に立っている。
こうした中で一応の勢力をもち、城主的存在は年商一億円クラスの業者である。これがざっと全国に四十店ほどある。やや織田信長的存在は年商二十二億の白洋舎である。この兵力約二千。しかし白洋舎とて油断はならない。
なぜなら白洋舎の営業所のあるところならコイン店を出してまず間違いなし…とねらいをつける野武士たちがいるからだ。さすがの白洋舎もコイン攻略にはキロワッシュという新戦術をあみ出したが、二四時間対三〇分のハンデーをどこまでちぢめるか。キロワッシュが決定的勝利をあげるとは現段階では断定できない。
天下の雄である一億円クラスは、大口扱いと家庭相手の仕事を子どもたちに二分して勢力を固めるもの(金沢市、松本日光合)から、営業所また営業所と出城で領土を固めるもの、産業ランドリーに野望をたくましくするものなどがある。
変わり種では広島県上下町の中本クリーニングのように三〇〇キロまで営業圏を拡大し、攻略また攻略の武田信玄ばり営業をきめこむものもある。
さらに北九州化学ドライのように、年商三千万円から群がる敵陣を突破して一億八千万円にのし上がった武将もいる。
まだ天下の雄とまでいかないが、移動ドライという飛び道具でひと決戦をいどむ神奈川県の株式会社丸美も、天下の雄たらんと戦略をねっている一人だ。宮原社長は自ら大尉といっているから、武将の列へはまだ一、二年はかかるだろう。しかし彼は天下をとる手相だという手の平のどまん中にあるホクロをながめて「あるいは事成らん」と、木下藤吉郎をきめこんでいる。
さらに協同組合という古い地盤にたてこもり、全国の同志と提携、新勢力進出阻止の規制に作戦をねっているものもある。
こうした戦国の常として忍者を放って情報集めや、ラッパによる謀略が横行し、どこからどこまでがほんとうなのやら、見当のつかぬありさまである。
したがって、こういう時代には人をたよりにせず、自からの責任で企業を防衛する覚悟がなによりたいせつである。だれかがなんとか守ってくれる…も禁物なら、小田原評定にその日ぐらしも、タイミングを失い、領土を攻めとられる危険性がある。
ぼやぼやしていると、「クリーニング業者は雑草のごとく枯れることなし…」も、「収益とみに減」という水気を絶たれて桔れ果つることもありうる。 しかしである。いかに小なるトリデといえども、弾薬なく兵糧尽く…というところまで、まだ追いつめられてはいない。
それはクリーニングの全国総水掲げ高は千二百億円である。だがドライ市場の急速な拡大は、四千億から五千億円ぐらいまでいける可能性が大いにあるからだ。国民の全消費支出にたいするクリーニング支出の割合は、全国平均でやっと一%に達したばかりである。これが四・五%に達してはじめて欧米なみの文化生活といえる。
そこに未開の地がいくらでもある。ただしランドリーという竹ヤリだけで、この未開の地に乗りこむことはできない。またPRという名乗りも上げず、戦おうとすることもむずかしい。
陣地をとるには経営戦略も必要だ。戦う新たな軍勢がそこここに伏せているのだから。
戦国時代に勝ち残り、あるいは領土拡張をはかるには、孫子の兵法ではないが敵を知りおのれを知ることが一番だ。敵をあなどり、くそみそにけなすだけでは勝てない。まして作戦が後手後手にまわるようでは、勝ち目はない。
要するに戦国時代に一個のサムライとして生きるには、剣豪または武術をねるのほかはない。一刀流またよし(専門化)二刀流(持ちこみと外交併用)もまたよかろう。
そこで現代における武術とは地域第一級のドライクリーナーたることと、収益増をめざして経営戦略を研きんすることである。このいずれにも努力しないものは自から消滅するだけだ。そこまで低料金競争と市場争奪戦は、不況の深刻化とともに激しさを加えていくだろうというのが戦況観測でもある。幸いに低料金競争が一部地方に限られるとしても、物価の高騰と人件費高のつき上げはまぬがれない。おのおの方、その対策はじゅうぶんにできているか。
著作:全国ドライ新聞社
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