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2006年08月06日
vol.5「孫子の兵法」
洗い放談
「孫子の兵法」
利に非ざれば動かず、得るに非ざれば用いず。危うきに非ざれば戦わず。 これは孫子の兵法である。なかなかがっちりしたものである。こんにちの企業もこうした三か条に徹すればまずは企業安泰である。ところが感情時に支配されやすい人間は「利はなくとも動き、得るものはなくとも用い、危うくなくとも戦う」ことがザラだ。早い話がである。近くにコインができた、低料金がはじまったとなると、この三か条を無視して対抗料金を打ち出す。こういうやり方について、孫子はこんなふうに戒めている。
勝兵はまず勝ちて、しかして後に戦いを求め、敗兵はまず戦いて、しかして後に勝ちを求む。
このわけは、勝つものは戦う以前に勝つだけの十二分なソロパンをはしく。それにくらべて負けるものにかぎって、ソロパンなどははじかず、戦いをはじめてからまぐれでも、勝ちを求めようとする。
つまりコストダウンもはからずに、いきなり低料金に突入する。そして「相手をやっつけることが先決だ」と、ひとりよがりな推測で、まことに損な戦いをやる。
こういう戦い方は、かりに勝っても、勝った利益よりもそれに費やした金のほうが多いものだ。結局なんのために戦ったかわけがわからなくなる。
孫子は今かち二千五百年ほど昔の人である。しかしいっていることは、現代に通用する合理主義に徹したことばかりである。孫子兵法に一貫している考え方は市場調査を徹底してやれ。経営は時代の流れと立地条件を百%いかせ。人の和と機械力で経営力をうんと大きくせよ、ソロバンを徹底的にはじけ―というに尽きる。
こうしてから果敢に戦略を実行に移すことだ。
この故にはじめは処女のごとくして敵人戸を開く、後は脱兎のごとくして敵防ぐに及ばず。
コストダウンもできないのに、強がりをいうヤツはバカだ。準備ができるまでは処女のごとく、いざ戦端を開いたら、いかに敵が陣営を誇っても、こちらは脱兎の勢いで敵は一コロだという次第。 また孫子はこうもいっている。
よく兵を用うるものは、たとえば卒然のごとし。卒然は常山の蛇なり。その首を撃てばすなわち尾至り、その尾を撃てばすなわち首至り、その中を撃てばすなわち首尾ともに至る。
経営者を攻めても従業員にちょっかいをかけても、どこをついても戦力がみなぎっている。こういう経営戦争こそ大いにやるべきだと孫子は経営ビジョンを鮮やかに描き出している。まことに心にくき文章である。
(註)卒然はすばやくということ。常山は河北省曲陽県にある有名な山、常山の蛇は伝説にある蛇で、行動力がものすごく早い怪蛇であった。
著作:全国ドライ新聞社
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